手作りマルセイユ石鹸

つくる

石鹸は買うもの、昔はそう思っていました。
約15年前、友人が持っていた前田京子さんの書籍『オリーブ石けん、マルセイユ石けんを作る』を借りて読むまでは。

その本には、写真付きで初心者にもわかりやすく石鹸作りの手順が載っていました。また各種オイルについての特性も学べて非常に面白く、どんどん石鹸作りの世界にはまっていきました。

当時の私は、特に秋口から冬にかけて顔や体の部分的乾燥が気になっていたこともあり、洗顔石鹸を見直していた時でもありました。すぐさま自分も同じ本を購入して隅から隅まで読み込みました。これなら私も作れそう、と頭の中で石鹸づくりのシミュレーションを始めたのです。

そして、とうとう重い腰を上げて「つくる」ことにしました! (15年前ですけどね)

最初はオリーブオイルのみのオリーブ石鹸からチャレンジすることにしました。手順に従って作ったところ美しい白い石鹸が出来上がりました。なんと言っても自分で作った石鹸、想像を超える達成感が私のモチベーションを更に上げてくれました。

それ以来、オリーブ石鹸のみならず、あらゆるオイルで石鹸づくりをしてきましたが、ここ10年くらいはオリーブオイルと他2種のオイルを配合したマルセイユ石鹸を作り続けています。

マルセイユ石鹸とは

現代におけるマルセイユ石鹸とは、オリーブオイルがオイル全体の72%を占めている石鹸のことを指します。72%の刻印がそのあかしです。

しかし、元々は質量全体の72%がオリーブオイルで作られた石鹸のことを言いました。

ルーツは、何千年も前から存在するシリアのアレッポ石鹸です。オリーブオイルと月桂樹をベースにしたこの製法は、イタリア、スペインを経て、地中海沿岸に広がり、マルセイユにたどり着いたといわれています。

1688年、当時ルイ14世の大臣であったコルベールは、「マルセイユ石鹸」という名称をマルセイユ地方のオリーブオイルを使った石鹸に限定して使用する勅令を発布しました。

この規制を守ることで石鹸の品質が保証され、マルセイユの石鹸工場は有名になりました。そして使用するオイルは純粋なオリーブオイルのみとされ、伝統的な製法が確立されていったそうです。

しかし、次第にオリーブが不作となり、オリーブオイル以外のオイルも少し配合するようになって現代の意味(質量全体ではなく、オイル全体の72%)に変わっていったようです。

我が家のマルセイユ石鹸

我が家のマルセイユ石鹸に入れるオイルは、保湿力抜群のオリーブオイル72%、泡立ちを良くするココナッツオイル18%、すぐ溶けてしまわぬよう硬さを保つパームオイル10%を配合して作っています。

夏用の石鹸として時々、製造途中の型入れ前に太白たいはくごま油(焙煎しないので色や香りはない)を少し入れたりしています。

同書によると、ごま油には紫外線吸収剤として働くセサミン、セサモリン、セサモールが含まれているため紫外線防止に効果があると記されていたからです。

しかし、私の場合は、太白ごま油をメインの材料として鹸化させているわけではなく、我流でトレース後にほんの少し添加しているだけなので効果があるかどうかは定かではありません。

オイルと苛性ソーダを溶かした精製水(2リットル弱)を混ぜ、トレース後、太白ごま油を大さじ1杯程度追加して更によく混ぜる
    オイルと苛性ソーダを溶かした精製水(2リットル弱)を混ぜ、トレース後、太白ごま油を大さじ1杯程度追加して更によく混ぜる

このような製法で作ったものを「過脂肪石鹸」と呼びます。おまじないのようなものです。今のところ、家族全員特に問題はないのでよしとしています。

また、余裕がある時は、エッセンシャルオイルを加えて香りを楽しんでいます。

今では家族全員が私の手作り石鹸を愛用しているので、月に1回は最低でも約1kg作らければ間に合わなくなってきました。 

弱アルカリ性が良い理由

マルセイユ石鹸は弱アルカリ性です。
そして我が家ではみんな15年以上、その石鹸で全身を洗っています。

洗顔の目的は、1日の汚れ=古い角質、メイクアップ料、皮脂、ホコリ等を除去することです。弱アルカリ性のマルセイユ石鹸はその目的をエレガントに解決してくれます。

人間の肌は弱酸性なのに大丈夫?と疑問を持つ方もいらっしゃると思いますが、スキンケアの専門書によると洗浄後は自分の力で弱酸性に戻る力があるとのこと、大事なのはお肌の分泌物をマイルドに素早く除去することなんですね。

15年以上毎日、洗顔している私からも「心配ご無用」と自信を持って言わせてください!
かくいう私もかつては適当に洗顔し、汚れが中途半端に残ったまま化粧水などをつけまくり、荒れた肌の原因もわからないまま化粧品のせいにしたりしていました笑

そういえば、孫も新生児の頃、沐浴時に私の石鹸を使ってくれていました。顔に脂漏性湿疹ができたからです。確かに手作り石鹸は無添加ですもんね。

洗顔のコツ

洗顔のコツは、もっちりした泡を顔全体に隈なくつけて、手のひらでふわふわくるくるし、ぬるま湯で完全に洗い流すこと。注意すべきは時間です。顔に泡をつけてからは、約1〜2分以内に洗い終わるのがベストです。それだけで十分な洗浄効果があります。

たったそれだけなのですが、面倒くさがりな人は泡立てを怠ります。

そんな方におすすめなのがFANCL(ファンケル)の泡立てボールです。非常に安価なのにあっという間に適切な水分でもっちり泡を作ることができます。やっと巡り会えたちょうどよいサイズのボール。すごく気に入ったので家族の分まで購入してしまいました。2年くらい前に近所のデパートのFANCL(ファンケル)ショップで自力で見つけました!笑 ぜひ試してみてください。

あ、そうそう、デメリットとしては目に入ったら強烈に痛いです。しばらくすると治るのでパニくらなくて大丈夫笑。だからこそ洗顔は固めの泡にしてくださいね。

終わりに

初めての投稿にお付き合いいただきありがとうございました。

興味がある方は、石鹸を作ってみてはいかがでしょう。苛性ソーダを扱う際の注意を守れば誰でも簡単に作れますよ。

将来的に余裕があったら、1時間あれば型入れまでできちゃう私の早業石鹸作りの手順をご紹介できたらと思います。

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